はじめに
2022年は保有している株式を”個別銘柄”から”インデックス指数連動銘柄”へシフトチェンジし、リスクヘッジしつつもしっかりと資産形成し楽しみがあるポートフォリオに移行していこうと思っています。
その楽しみの一つに配当金を組み込み、全体の保有比率のうち20%を目指して高配当ETFを買い付けしていく事を考えています。高配当ETFとして組み込んでいる銘柄の一つが今回ご紹介するQYLDとなります。QYLDは10%を超える年間利回りを得られる高配当ETFでものすごく魅力的ではある反面、依存しすぎるとリスクも高い銘柄となるのでQYLDの理解を深めつつ購入をしていきたいと思っています。
2022年のリスクヘッジしつつも資産形成し楽しみがあるポートフォリオ詳細については下記よりご覧ください。
QYLD(キュー・ワイ・エル・ディー)とは?
年間利回りが10%を超えることで注目を浴びているQYLDですがどのような銘柄なのでしょうか?
QYLD概要
ティッカー | QYLD(キュー・ワイ・エル・ディー) |
---|---|
運用会社会社 | グローバルX |
投資対象・手法 | ナスダック100指数に連動する銘柄を購入し、コールオプション(買う権利)を売ってオプションプレミアム(オプションを売ることで買い手から支払われる権利料)で収益を得るカバードコールによるETFです。 |
株価(米ドル) | 21.81(2022/1/7時点) |
純資産総額(百万米ドル) | 5,902.58(2021/12/31時点) |
直近分配金(米ドル) | 0.22(2021/11/22時点) |
分配金回数/年 | 12 |
分配利回り(年) | 10.75% |
経費率 | 0.67% |
組入上位銘柄(2022/01/07)
順位 | 銘柄名 | 比率 |
---|---|---|
1 | APPLE INC ORD | 11.80% |
2 | MICROSOFT CORP ORD | 10.73% |
3 | AMAZON.COM INC ORD | 7.68% |
4 | TESLA INC ORD | 6.13% |
5 | NVIDIA CORP ORD | 5.37% |
QYLDの特徴をまとめると
・超高配当!2021年は最終分配利回り12%超え(年間)
・年間12ヶ月毎月分配金がもらえる
・注目度の高いナスダック100が投資対象
・経費率0.6%
まず、とにかく超高配当ですね。
まだ反映されていませんが、2021年12月の分配金は0.499377ドルと発表がありました。
分配利回りは驚異の12%超え!
100万円投資していれば年間12万の分配金がもらえるということになります。
1000万円なら年間120万円、3000万円なら年間360万円です。
毎月分配金がもらえるという点も、サラリーマンの給料のようでリアリティがあって良いですよね。
しかも最近注目のナスダック100が投資対象。ナスダック100指数連動銘柄は、アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、テスラ、メタ(旧Facebook)、エヌビディアといったITなど革新的な技術やビジネスモデルによってイノベーションを起こしている企業が含まれているので期待もできます。
最後に経費率0.6%が気になるところ。VTIやVOOなどのETFは0.03%等とても低い経費率のため高く感じてしまいますが、日本企業が売っているカバードコール戦略の投資信託は経費率1%〜2%なのでそれらと比べると激安。分配金を出している分ETFの株価自体の値上がり益(キャピタルゲイン)は見込めないデメリットはありますが、ナスダック100が元気であれば継続して高い分配金が得られるのは大きな特徴となっています。
そうですよね!ただ、そもそもQYLDってどんな投資手法で資産運用をしているのか??投資初心者には難しい言葉がズラリ並んでいてわかりづらいですよね。。。
QYLDに投資するとしても、QYLDの利益構造(コールオプションを売却する)や投資対象ナスダック100指数連動銘柄のことを少し理解しておく必要がありますね。
オプション取引ってなんだっけ?
まずは、オプション取引ってなんだっけ?という点、現物取引だけしている私としても少し難しい考え方ですがおさらいしてみましょう。
オプション取引とは、特定の商品(原資産)を、取引の際に”あらかじめ定められた期日”に、”あらかじめ定められた価格”で買う・売る権利を取引する事です。買う権利のことを「コールオプション」、売る権利のことを「プットオプション」と言います。
“あらかじめ定められた期日”を「満期日」、”あらかじめ定められた価格”を「権利行使価格」と言います。権利を買った行使してしまうと損をする場合は「行使しない」という選択肢もあり、権利行使ができる期間のことを「権利行使期間」と呼ばれています。
「オプションの買い手」は「オプションの売り手」に対して手数料を支払うという構図となります。
オプション取引は、権利を取引するもので権利を得る代わりに手数料を支払う。この権利は行使するか?行使しないか?を選ぶことができるという取引です。
QYLDはこのオプションの売り手として資産を運用しているということですね。
コールオプションとプットオプション
QYLDではコールオプションを売り手として資産運用をしていますが、この「コールオプション」と「プットオプション」とはそれぞれどのようなものなのでしょうか?
・コールオプション(買う権利)
コールオプション取引(買う権利を取引)をした人(買い手)は、現時点の価格より将来値上がりする事を期待して権利の売り手から「買う権利」得て、その対価を支払います。
・プットオプション(売る権利)
プットオプション取引(売る権利を取引)をした人(買い手)は、現時点の価格より将来値下がりする事を期待して権利の売り手から「売る権利」を得て、その対価を支払います。
カバードコールとは?
カバードコールとは、原資産(株式、債券、通貨など)を購入・保有し、上記のオプション取引におけるコールオプションを売るモデルとなります。
このモデルは保有する原資産について、買う権利を買い手に渡すことで、権利行使価格以上の値上がり益を放棄する代わりに“オプションプレミアム”という対価を得て収益を上げるカバードコール戦略と言われています。
・カバードコールのメリット
カバードコールのメリットは、原資産の将来値上がりするかわからないという不確実な利益を放棄する代わりに、オプションプレミアムで着実に利益を積み上げていくことができる点となります。また、原資産が値下がりした時にもオプションプレミアムで積み上げた利益により損失を抑えることもできます。
・カバードコールのデメリット
カバードコールのデメリットは、買い手が権利を行使した時に売り手はその時の価格水準に関係なく権利行使価格で原資産を売却しなくてはいけないため、どれだけ価格上昇したとしても利益は権利行使価格までに限定されるという点となります。
QYLD(グローバルX社)はナスダック100指数連動する銘柄を購入し保有している原資産をコールオプション(買う権利)を売るカバードコール戦略を取っているので、”売り手”としてコールオプション(買う権利)を買い手に引き渡す対価として、オプションプレミアムを得て収益を上げているということになります。
QYLDは不確実な将来の値上がり益という大きな利益は放棄して、オプションプレミアムで利益を上げているということですね。
QYLD(グローバルX社)が継続して高配当を出すには
QYLD(グローバルX社)が高配当を継続していくためには、オプションプレミアムによる利益を積み上げ資産を増やしていくことが必要となります。
そのために重要なことは、QYLDが保有しているナスダック100の指数連動銘柄が将来値上がりするだろうという期待値が高く、ボラティリティーが高いことです。値上がりする期待値が高ければ高いほど、ボラティリティーが高ければ高いほど、コールオプション(買う権利)が欲しい人が増える構図なのでナスダック100の指数連動銘柄にかかっています。
2022年QYLDの配当金に関わる権利落ち日
QYLDの配当金を得るためには権利落ち日の前日営業日までに株を購入し保有しておく必要があります。
2022年の毎月のQYLD配当金に関わる権利落ち日については下記となります。
QYLD権利落ち日 |
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2022年1月24日 |
2022年2月22日 |
2022年3月21日 |
2022年4月18日 |
2022年5月23日 |
2022年6月21日 |
2022年7月18日 |
2022年8月22日 |
2022年9月19日 |
2022年10月24日 |
2022年11月21日 |
2022年12月29日 |
2022年ナスダック100指数連動銘柄はどうなる?
2021年はナスダック100指数連動銘柄の株価が右肩上がりに伸びましたね。
それに伴って”レバナス(レバレッジ・ナスダック100)”への注目度も高まり、特に2021年後半になるにつれてブームとも言えるほど話題になりました。
このようなナスダック100に対する注目度が高く期待値が高い状況においてはQYLDにおいても追い風でしたが2022年はどうでしょう?
QYLDがナスダック100指数連動銘柄の中で組み入れTOP5となる、アップル、マイクロソフト、アマゾン、テスラ、NVIDIAは、新型コロナによる人流や経済ストップするような特殊な状況下においても大きな利益を上げ、株価も大きく上げてきた超優良企業ばかりです。
ただ、2022年は新型コロナもワクチンと経口治療薬の承認により終息が見え始めてきた中で、今までのコロナ禍ほどの成長は見込めないのではないかと見る専門家も多く、2022年はグロース投資からバリュー投資へとシフトするだろう言われるているので、決して追い風の状況が続くとは言えないかもしれません。
追い風のない中、2021年同様に世間の期待を超えてくることほどの業績を出すのは難しくなることを考えると2021年ほどの注目度は見込めないかもしれません。期待値を超えるような業績が出せないと株価は下落トレンドに入る可能性が高くなりますね。
とは言え米国市場を代表する超優良企業群であることに間違いない事実。浮き沈みしながらも長期目線では右肩成長すると言われています。
2022年はしっかりとナスダック100指数連動銘柄が期待を超えるような業績を出せているか?をチェックしながらQYLDへの投資を続けようと思います。